2014年11月3日月曜日

2014113日【生活の知恵】
研究者にもっとも必要なもののひとつに「生活の知恵」があると僕はずっと思っている。生活の知恵のない者がいくらその学問を学んでも質の高い研究はできないだろう。もちろん生活の知恵を豊富にもっていてもその学問を体系だって学ばずには質の高い研究はできないのだが、学問をする前に豊富な生活の知恵を土台としてもっていることはとても重要になる。

「生活の知恵」は、生まれてから育って生活をしていく過程で、自然や世の中を直接自分の身体で感じ、深く考え試行錯誤を繰り返し、多くの失敗をし、自分で何かを創りだしたり、壊してみたり、試してみたりを大人になる過程で繰り返すことで身に付く。これをやっていないと生活の知恵はとっても浅いものになり、そういったところに学問をのっけてもとても、それはとても不安定な知識でしかない。


学問を「身につける」とはよく言ったもので、たしかに学問は「全身で感じ学ぶ」ものだ。物事が深く理解できた時は、本当に全身にそのもののエッセンスがめぐっていきわたり循環する感覚がおこる。これは、豊富な生活の知恵を身につけた上で学問を深く学んだ者だけが「体験」できるユーフォリアだ。