2010年10月14日木曜日

2010年10月13日

僕は去年日本に24年ぶりにかえって来て、NAISTで多くの大学院生さんたちに接した。それまでは、アメリカの大学院生さんしか知らなくて、 日本の大学院生さんたちは、なんと素直で物分かりのいい「子供」なんだろうと思った。その為に、日本の大学院生さんたちに接する時に、ついつい、「教師- 生徒」として接していた。つまり、大学院生さんたちを「子供」として扱っていた。 数ヶ月くらい前に、あるきっかけで、これはおかしい、間違っていると思うようになった。僕がアメリカにいるときは、大学院生さんたちは立派な 「大人」で研究者の卵である、という認識で、ほとんど「対等な立場」で「研究のディスカッション」をしていた。大学院生さんたちは、大学を卒業した立派な 大人であるはず、大学でキチンと基礎学力を身につけて大学院に入って来ているはず、という認識である。
数ヶ月くらい前から、僕はこれらの前提でNAISTの大学院生さんたちと、「大人と大人」の付き合い、「研究者と研究者」の付き合い、をする様にした。
人によっては、最近の大学院生さんたちは子供だし、大学でちゃんと基礎学力を養って来ていない。だから、大学院では、先ず手取り足取りケアーしてあげて、基礎学力を先ず丁寧に教えてあげないといけない、という先生方も少なくない。 というか、多くの先生方はそう言う。
僕は、逆にこのような扱いをするから、大学院生さんたちはいつまでたっても子供から大人に移行出来ないでいるのだと思う。大人だと認められて、 そのように扱われて、はじめて各々が責任感をもった大人としての行動ができるようになるのだと、僕は思う。大切なのは、学生さんたちと、「大人と大人」、 「研究者と研究者」の付き合いをしながら、影でこっそりサポートするといったことだと思う。