2014年6月7日【ブラック企業・ブラックラボ】
僕は、日本にくるまで「ブラック企業」なんて言葉自体の存在すら知らなかった。
もし、日本で一般的に使われている基準で「ブラック企業」を定義するなら、僕の知る限り、アメリカの一流企業のほとんどが「ブラック企業」の一面をもっているし、アメリカの大学や研究所のラボのほとんどが「ブラックラボ(研究室)」に当てはまる部分を持っている。
今の日本みたいに、ちょっと厳しいとなんでもかんでも「ブラック企業、ブラックラボ」と指を指していると、日本のような「ぬるま湯環境」の会社やラボでしか仕事の出来ない、つまり日本でしか通用しない、「柔な人材」しか育たないであろう。
アメリカにいた頃、僕のまわりにも、米国のラボの厳しさ(この厳しさを日本では「ブラック」と呼ぶ)に打ちのめされ、ついていけなくなり、場合によっては「うつ(ほんとうの鬱ではなく、新型うつ)」になって、日本への帰国を余儀なくされた研究者をかなりの数知っている。
こんな状況だと、世界中どこでも仕事をバリバリできる真のグルーバル人材が日本から輩出されるのは、不可能に近いのではなかろうか。