2010年1月27日水曜日

2010年1月26日

僕は日本の大学を卒業してすぐアメリカの大学院に行って、それから24年以上ずっとアメリカで研究・教育活動をおこなってきた。前にも書いたよ うに、僕は小学生のころから研究者になろうと思っていた。だから、子供なりに1970年代の日本の研究体制や状況を考えると、日本で研究するなんて考えら れなかった。1980年代に大学に入ってからも、僕はとてもじゃないけど、日本の大学院に行って日本で研究・教育をするなんてことは苦痛以外の何者でもな いと常に思っていた。それくらい、日本の研究体制、状況は悲惨だった(少なくとも、僕にとっては)。 それから25年経った今、もし僕が高校生か大学生だったら、日本の大学院に行くだろうか?非常に残念ながら、答えはNOである。日本は豊かに なったし、研究も世界をリードするような研究が少しずつ出てくるようになった。でも、やはり日本は「やんちゃ」で、「生意気」で、「縛られるのを嫌う」僕 にとっては、住みにくい国である。でも、僕は日本に帰ってきた。僕が日本に帰って来て、日本を少しでも、僕みたいな人間でも住みやすい国に変えて行く努力 を今すぐに始めて行かないと、何時までたっても、僕みたいな人間は海外に出て行ってしまう。僕みたいな人間でも、美しい日本を愛している人間は沢山いる。 そんな人間(僕も含めて)が、研究や仕事がし難いという理由だけで、愛している国を棄てて海外に行かなければいけないなんて、凄くさびしい。
僕はこれから20年~30年かけて、僕みたいな人間でも日本に住みたいと思えて、日本で(分野を問わず)プロとして世界レベルで活躍して行ける環境づくりに貢献するつもりである。