2010年9月30日木曜日

2010年9月29日

オランダ(アムステルダム)でも、朝一時間ほど走っている。運動にもなるし、滞在しているまわりの様子が回りを走ることでよく分る。僕は朝走る のだけど、こちらでは、朝7時でもまだ暗い。真っ暗。7時30分過ぎくらいから段々と夜が明けて、薄明るくなり始める。その代わり、夜は午後7時でもまだ 明るい。やっぱり、ヨーロッパは日本より西なのだと感じる。 僕はここでは、毎日、物理、数学、コンピューターサイエンスの人たちと沢山研究の話しをしていて、とても楽しく、毎日沢山のアイデアが生まれ る。アメリカにいたときのように沢山アイデアの交換が自由な雰囲気で、気楽にできるので、とてもうれしい。やはり、サイエンスの進歩には、気楽で自由でし かも知的な雰囲気が大切だと思う。
オランダは17世紀に医学がとても優れていて、ドンドン進歩していった。そして、医学者・医者の数が沢山増えたそうである。これらの医学者・医 者は新しいアイデア、新しい技術をお互いに自由に交換しあって、益々医学が進歩していったらしい。しかし、18世紀に入ると、あまりにも医学者・医者の数 が増えて、お互いに競争が厳しくなり、ひとりひとりが、新しいアイデア、新しい技術を秘密にするようになり、そのおかげで、オランダの医学はみるみると下 り坂になり、進歩のスピードが遅くなり、レベルが落ちて行き、衰退していったらしい。この事からも分るように、やはり科学の進歩には、自由にアイデア、意 見、技術を交換しあえる、雰囲気・環境がとても大切なことが分る。
日本のサイエンスも、このオランダ医学の衰退の歴史から、学ぶことがあるのでは、と僕は思った。