「人」「知的環境」「研究に集中できる時間」「インフラ」「研究費」の順である。
30年前の日本では、「人」「知的環境」はかなり濃厚であったと考える(もちろん、いまの日本と相対的に比べてで、絶対的評価ではない)。しかし、「インフラ」「研究費」はかなり貧弱であったと思う。
し かし、今の日本では、「インフラ」「研究費」は30年前と比べるとかなり贅沢にあると感じる(これも、相対的な意味である)。しかし、逆に「人」「知的環 境」「研究に集中できる時間」など、特に「人」「知的環境」に関しては、かなり貧弱で希薄になってしまったなと感じる。
研 究費は豊富にあるのに、国内では優秀なポスドク、研究者が少ないので、結局「人」にお金をつかわないで、最新の機器にお金を使っているという現状が存在す る。最新の機器がいくらそろっても、斬新なアイデアをだし、研究を進めていく優秀な人が集まらないと宝の持ち腐れである。
あ くまで、僕の個人的な印象だが、アメリカのトップクラスの研究・教育機関に比較しても僕の周りにはすばらしい最新の機器が勢揃いしている。しかし、正直 いって、これだけ最新の機器がそろっていて、「研究成果はたったのこれだけ?」(アメリカのトップクラスの研究・教育機関に比較して)と僕は感じる。