研究費申請に関する話しに戻る。 僕はアメリカにいた時、主にNIH(National Institute of Health) という国の機関から研究費を貰っていた。今は日本に来て科研費という研究費を国から頂いている。NIHの研究費申請書と科研費とでは申請書の長さ、形式など違うが、僕がアメリカで学んだ研究費の申請書の書き方に関する多くのレッスン、鉄則はとても役に経っている。
問題は僕は未だに研究のことを考えるときは頭の中が英語なので、研究費を書くときも英語で考えてしまう。したがって英語での文章はスイスイと出てくるが、科研費の申請書を書くときは日本語で書くので、英語で考えている微妙なニュワンスを日本語で伝えるのがとても難しい。
そもそも、英語的な考え方と日本語的な考え方はかなり違うので、英語で考えているサイエンスの微妙なニュワンスを日本語で伝えようとすること自体が難しいというか、不可能なのかもしれない。
そこで、最近は日本語で最初から考えて日本語で申請書を書くようにしているが、日本語で書いた文章は僕がイメージしていることがはっきりと明確に伝わっていないように感じる。ここのところを克服することが僕の今一番の課題だ。
ここに僕がアメリカで学んだ研究費申請に関してのもうひとつのレッスンを挙げておく。
· 書いた原稿を出来るだけ多くの違う分野の人たちに読んで貰って、締め切りの最後の最後まで諦めないで何回も納得いくまで書き直す。また、原稿は男と女の人たち両方に必ず読んで貰い意見を乞う。審査員には男も女もいる。だから当然原稿も両方の性別の研究者に各々読んで貰う。
今日はこれからコペンハーゲンに向かって出発。寒いだろうな。ヨーロッパは大寒波に見舞われているらしい。