2017年5月7日【アンテナ】

日本では、周囲に何を求められているかが一番大事、というふうに子供の頃から育てられる。家庭でも、学校でも。なので、自己主張する前に、先ずは周囲という中での自分を考えることが、自動的に行われる。子供が優秀であればあるほど、その傾向は強い。場の雰囲気に非常に敏感だからだ。育つ過程で、常にアンテナを張っているようになってしまっているのだ。

子供が、「とても刺激になった。これからもチャレンジしていこうと思う」と言ったとしよう。本当にそう思っている子もいなくはないだろうが、多くの子は、「そういう回答をすることを求められていることを敏感に感じ取って、そのように発言しているだけだ。子供の時にそういう発言をする子のほとんどは、本気でそんなことは思ってもいない。本気でそう思っている子供は、そんなことを聞かれるような所にはいない。もっと別のところで、孤独の中、粛々と自分の将来と真剣に向き合って準備をしている。