2012年10月19日金曜日

2012年10月19日

ニューヨークで思ったことのひとつ。山中さんのiPSの研究に国が「オールジャパン」体制で支援するとのことについて。

も ちろん、日本発の科学技術や発見・発明を国としてサポートするという概念自体には、ぼくは「心情的には」賛成する。しかし、将来的に日本の経済活性化に結 びつかないことには、国民の賛同を得ることは難しいし、国として成り立たなくなる。(とくに、日本の国民はあまりしっかりと自分の頭で考えて判断しない で、「お上のおっしゃることだから、云々」となってしまう傾向にあるので…。)

そ の辺をふまえて、「ノーベル賞をとった研究なのだから、云々」ではなくて、将来的にiPSを利用した再生医療が日本また世界中でどれくらいのマーケットな のかを、10年年後、20年後にわたって、しっかりとした定量的な試算をし、それ以外の対抗馬との競争力を比較した上で、どの程度の投資をiPS研究に国 とすべきなのかを考えて欲しい。でないと、日本経済、日本の科学技術の発展が将来的に行き詰まってしまう。

このようなことは、企業では常に行われていることで、そうしないと会社がつぶれてしまう。日本という「会社」がつぶれてしまわないためにも、この辺の試算を国民にわかるように示した上で、しっかりその投資の合理性・正当性を説明してもらいたい。

ちなみに、今回ニューヨークで再生関係の研究者の同僚たちと話してるけど、みんなiPSの「次の次の」世代になりそうな研究の話しがたくさん聞けた。iPSじゃ、もう古すぎて研究費獲得しにくくなってるそうです。