2010年12月1日水曜日

2010年11月30日

僕はポスドクを終えたあと、1991年1月から独立しPIとしてラボの運営をおこなっている。当時28才になったばっかりだ。最初は僕とテクニシャン2人でラボを始めた。以来20年ほどラボを運営している。その間で一番苦労したのが、ラボのマネージメントと研究費獲得だ。研究能力はあって当然なのでそんなに苦労はしなかった。しかし、ラボをどのように効率良く運営するかに関してはとても苦労した。今でも苦労している。

アメリカでは多くの場合ラボ全体が円滑に回るよう日々の運営をラボマネージャーに任せる。それでも大変だ。特にヒトのマネージメントが大変。ラボ構成員の人数が増えてくると、色々なヒトが研究室に入ってくるわけで、ヒトとヒトとの関係が円滑に回るようにラボを運営するのは大変な工夫と努力が必要になる。

その過程で僕が学んだことのひとつは、“ヒトをコントロールしようとしてはいけない”ということだ。これは当然のことなのだが、実際はとても難しい。学生、研究員、スタッフのことを真剣に思えば思うほど相手のことをついついコントロールしたくなる。夫婦、恋人、親子関係でも全く同じことがおこる。相手のことを思いつつ、相手をコントロールするのではなく、“かげで見守る”ことをしないといけない。この微妙なバランスがとても難しい。これがうまくいかないとお互いの関係もうまくいかなくなる。夫婦、恋人、親子関係でも同様のことがおこる。

(明日に続く。。。。)