2010年12月2日木曜日

2010年12月1日

ラボのマネージメントの続き。

絶対必要なのが有能な秘書(Administrative Assistant)。ラボのPI(この場合は僕)は基本的に研究プロジェクトの計画・遂行、ラボ運営のためのお金(すなわち研究費)をとってくること、このふたつに専念できるようにする。日々のラボの運営はラボマネージャー、それ以外は全て(スケジューリング、ラボの予算の管理、研究費申請書またその他の書類の作成、会議の設定・フォローアップ、研究以外のPIの仕事を実質的に行う、など)秘書さんに責任をもって遂行してもらう。アメリカのラボで、ある程度以上の大きさ(ラボ構成員10人以上)になると優秀なラボマネージャーと秘書がいるかどうかがラボの生命線になる。

日本ではこの辺が違う。多くのラボでは教授が助教をラボマネージャーや雑用係のように使っているし、秘書さんはいても簡単な書類を作ったり、コピーをしたりといったコマ使い的な仕事だけをして、責任のある仕事をさせてもらっていない。他のラボのことは他人事なので僕がとやかく言うことはないし、僕には関係のないことだ。

NAISTでも僕はアメリカにいた時と同じやり方でラボを運営している。優秀なラボマネージャーと秘書さんにキャリアジョブとして責任を持ってやりがいのある仕事をして貰い、僕は研究プロジェクトの計画・遂行、研究費をとってくること、このふたつに専念すると割り切って仕事をしている。唯一アメリカと違うのは、自分のラボの学生さんたちの教育にアメリカにいた時よりはかなり多くの時間と労力をかけている。これは僕が将来トップレベルの日本人サイエンティストを僕の日本のラボから多く輩出したいという願望(夢)があるからだ。また、アメリカのラボではポスドク研究者がほとんどで各ラボの大学院生の数は数人なので自然と大学院生の教育に費やす時間と労力は少なくなる。

(明日に続く)