先ず、研究の背景の説明、アプローチの選択、結果の考察、これらが全て「ひとりよがり」な研究が多い。自分の研究に都合のよい背景のみ紹介したり(ひどい場合だと、世界中の多くの研究を無視して、いかにも自分が始めてやったというような卑怯な発表もあった。。。)、結果の解釈も色々あるはずなのに、自分の仮説(もともと仮説のない研究も多くあったが。。。)に都合のよいように解釈する、など等どうしょうもないものが多かったように思う。
前にも少し書いたが、教員からの学生への質問が、学生の能力を「試す(試験する)」といった感じのものが多い。学生を「自分と対等の研究者」という認識の上にたった質問・コメントはほとんどない。博士号を取ろうとするものであるから、基本的には「我々とサイエンスに関して同等の議論ができる」という事が前提にあると僕は思っているのだが、もちろん学生の多くにこの様な能力は無い。アメリカでも同じようなもの。アメリカのトップの大学院でも、「我々(教員)とサイエンスに関して同等の議論ができる」学生はそんなに多くない。しかし、日本(僕がよく知っているNAIST限定だが。。。)では、このような博士号候補の学生の数がアメリカよりもっと少ないように感じる。
来週は修士論文の発表会。その感想は来週末にでも書きます。