2011年2月25日金曜日

2011年2月24日

日本のサイエンスを取り巻く問題点のひとつに、学生、研究者の流動性が低いという事が言われている。これは、50年以上前から言われているらしく、未だに変わらないらしい。僕が日本で学部生の頃(1980年初期)も言われていた。

僕の意見では、この問題の根本にあるひとつの原因は、日本では優れた人材の絶対数が少ないということにあるのではないかと思う。アメリカなどでは、世界中から優れた人材が多く集まるので、優れた人材の絶対数は常に高い。したがって、自分のところで育てた優秀な学生さんを外に出しても、他に優秀な研究者はウジャウジャいるので困らない。しかし、日本では、自分のところで育てた優秀な学生さんを手放してしまうと、中々ほかに優秀な研究者がいないので、中々手放せない。もちろん、これ以外の要因もいくつかあるが、このような現状が日本で学生、研究者の流動性を低くしている原因のひとつになっているのではないかと思う。

ちなみに、アメリカでも、ラボの「技術」「研究運営」レベル・継続性を維持していくために、優秀なラボマネージャーはどのラボも手放したくないので、ラボマネージャーの流動性はかなり低い。僕の印象だと、多くのトップラボでは優秀なラボマネージャーが2030年居続けるのは普通。