2011年7月6日水曜日

2011年7月6日

2年間NAISTのバイオサイエンスで教授をやって感じたことのひとつに、どうも学生を評価するのに、「論理的な思考能力」よりも、「どれだけ(つまり量と時間)沢山実験をしたか」、「どれだけ熱心に一生懸命実験したか」といったことに重きをおいているような気がする。

僕は、人生の半分以上をアメリカで過ごし、アメリカで高等教育を受けたわけだが、バイオ・医学系の多くのアメリカ人また、在米の多くのヨーロッパ人は、いかに論理的思考を駆使して、超越したアイデア、モデル、仮説、セオリーを組み立てられるか、といった高度な「思考ゲーム」に重きをおいているように感じる。実際、僕自身もそうである。

バイオ・医学系の研究の多くが実験科学なので、もちろんアイデア、モデル、仮説、セオリーを実験的に証明しないといけないわけだが、論理的な思考無しに、牛、豚みたいに、ブーブーいきがって長時間労働(つまり実験)ばかりしている学生はダメだと思う。

やはり、バイオ・医学系の研究もサイエンスなので、「知的要素」のないものは、僕は面白いと感じない。