2010年10月10日日曜日

2010年10月9日

オランダ滞在中、多くのヨーロッパの研究者と話しをする機会が多々あった。その多くの研究者の人たちは、細胞の基本プロセス、物質の基本的性 質、化学反応のKinetics、細胞内での分子の物理化学的性質などを明らかにすることを目的に研究している。その人たちは、明らかにそれらの研究がど のように工学、医学、社会に応用可能かはあまりしっかり考えていないようだ。それでも、ただMatterの根本的性質、挙動を明らかにする、というだけで かなりの大きな研究経費が国から出ている。例えば、ある研究者は、ある水生動物をモデルに個々の細胞の挙動を詳細に調べ、その実験データーから生命プロセ スの根本原理を明らかにするというプロジェクトで、これに対して、国から毎年、日本円で7000万円、その人個人の研究グループに出ているそうである。オ ランダという日本から比べると、とっても小さな国(ちなみに、オランダ1の大都市アムステルダムでも人口は80万人弱である)の研究費ということを考える と、これはかなりの基礎研究推進を国をあげて行っているということになる。 やはり、ヨーロッパは基礎研究という意味では、かなりサポーティブな文化環境にあるのだな、と思った。